母乳育児相談でよくある質問

いくつかよくある質問をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

乳腺炎になった場合は、どうすればいいの?

乳腺炎は発症が急で、痛みも強くとてもつらいものです。でも、赤ちゃんに授乳ができていれば、重症化を防ぐ事ができます。病院や助産師にすぐにみてもらえなかったり、救急外来ではマッサージできる助産師がいないから、と診察を断られることもあるようですが、ママと赤ちゃんで対処できることを、あせらずにやってみましょう。

①とにかく、頻繁に授乳をします。しこり、痛みのある部分を外側から可能な範囲、圧迫しながら授乳してみましょう。
②患部を軽く冷やします。冷蔵の保冷剤を当てる(冷やしすぎ注意)、民間療法ですが、キャベツの葉をよく洗い、乳房全体に当てるのも良いです。
③消化の良い食事を取り、安静にします。
④高熱、強い痛みのある場合は市販の(手持ちの)鎮痛解熱剤を服用して下さい。

感染性の乳腺炎は適切な抗生物質による治療が必要です。治療が遅れると膿瘍(授乳やマッサージでは母乳が出せない状態)となることもあります。適切授乳をして24時間経過後も改善がない場合は、抗生剤による治療を受けましょう。。当院では内科も併設してますので、医師の処方による治療ができます。

<感染性の乳腺炎の症状>
・38度以上の発熱
・頭痛
・関節痛
・乳腺炎を起こした乳腺の発赤(皮膚表面が赤くなる)、硬いしこり
・黄色や緑黄色の膿のような粘稠性の母乳の分泌
以上の症状が見られ、24時間経過後も改善がない場合はマッサージだけではなく、抗生物質による治療を受けるようにしましょう。

断乳後は助産師のマッサージを受けた方がいいの?

自然卒乳が親子共にとって楽ではありますが、様々な理由で断乳を選択される方もいらっしゃいます。
断乳は急な授乳中止のため、おっぱいが溜まり、痛みで触るのも辛くなることもあります。また、まれに急激な乳管内圧上昇により乳腺炎になってしまうこともあります。このような場合は排乳ケアマッサージをさせて頂いております。
時々、断乳後は助産師のマッサージを受けないと乳がんになりやすくなる、次の子の授乳開始がスムーズにいかなくなると聞いてマッサージを希望される方がいらっしゃいますが、全く医学的な根拠はありません。断乳後に助産師のマッサージを受けになければならない、ということはありません。ご自分で搾乳し、排乳でき、しこりや痛みが残らなければ大丈夫です。
搾乳、排乳のタイミングは月齢や授乳回数で違いますので一概には言えないのですが、基本は断乳開始後2~3日後が1回目の搾乳、排乳の目安です。
ご心配な方は母乳外来をご予約ください。
一回目の排乳は時間がかかり、痛みを伴うことが多いので、来院されることが多くなっています。
また、断乳をするか迷っている、断乳の進め方を相談したい、という方は、断乳相談も行っておりますので、ご相談下さい。

*例年、年度末、連休、年末年始に断乳される方が多く、ご予約が取りにくくなっております。
断乳後マッサージは救急外来で診てもらうことはできません。ご自分での搾乳やケアに自信がない場合は、ご予約をお早めに確保しておくか、連休は避けての断乳をお勧めします。すでに断乳を始めていて痛みが酷い場合は、断乳を中断することも検討しましょう。

母乳はいつ頃やめたらいいの?

長期に授乳するメリットもわかってきた現在は、何歳になったら断乳しなければいけないという制限はありません。ユニセフ/WHOも適切な補完食を与えながら2歳までは母乳育児を続けることを勧奨しています。母子とも授乳を楽しんでいるのであれば、断乳は必要ありません。むしろ、長期にわたって授乳を続けると、母乳育児のメリットをさらに受けることができ、母子ともにたくさんの恩恵があります。子どもが自然におっぱいから離れていく時期を待つ卒乳を自然卒乳と言います。待てるのなら、お子様が自分から卒乳を決めるまで待ってあげてみてはいかがでしょうか。

人工乳や混合栄養から、母乳だけにできるの?

赤ちゃんの月齢や、人工乳を与えている量と回数により、母乳復帰のゴールが違います。人工乳を減量して母乳の割合を増やしていくことを母乳復帰(リラクテーション)と言います。
完全母乳でなくても少しでも多くの母乳を我が子にあげたい、というお気持ちは母親としてとても素晴らしいものです。
母乳育児について、お母さんが納得できる方法を一緒に考え、お手伝い致します。

相談、ケアは定期的に受けた方がいいの?

とくに心配事やトラブルがなければ、定期的に受ける必要はありません。当院の母乳外来は、必ず次回予約をお取りすることはしていません。
初診の方が6割、再診の方が4割程度となっています。

乳腺炎やしこりのトラブルを起こしたことのある方は、定期的に通院してマッサージを受ければ予防できるのではと期待されることもありますが、
マッサージで100%の乳腺炎やしこりを予防することはできません。何よりも、日々の授乳が大切です。
最近では乳汁分泌過多による乳腺炎やしこりのご相談が多くなっています。トラブルを予防する授乳のしかたのアドバイスや、場合によっては医師の判断により、処方薬を使用することもあります。
繰り返す乳腺炎や、しこりで憂鬱なお気持ちで母乳育児されている方は断乳を検討する前にぜひご相談下さい。
乳腺炎では程度により、数回のケアが必要な場合もあります。また、母乳がちゃんと出ているのか不安があるうちは、お受けになると自信を持って授乳が続けられると思います。

マッサージを受けると母乳が良くでるようになるの?

乳房のマッサージをすると、血行が良くなる上、オキシトシンというリラックス効果のあるホルモンが分泌されます。結果として母乳の分泌は良くなります。また、不安や疑問にもお答えできますので、安心が得られ、母乳育児に自信が持てるようになります。母乳を出すオキシトシンホルモンは、精神的な影響を受けると言われています。
でも、マッサージによる効果は一時的なもの。母乳量の分泌を増やすには毎日の一回一回の直接授乳に一番効果があります。母乳をたくさん出すには赤ちゃんに有効に吸ってもらうのが一番です。

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